●信州B級グルメ – 黒部ダムカレー(大町市)
黒部ダム誕生から50年。
エネルギーの歴史を学び、おいしいカレーに舌つづみ!

黒部ダムカレー戦後、日本経済復興に伴い、電力不足の深刻さが大きな社会問題になっていた。

当時の火力発電は、目まぐるしく変動する電力需要に速やかに応えることが難しく、それを補える水力発電所の建設が急務となっていた。そこで、クローズアップされたのが、原始に近い大自然が残された日本最大の規模を持ち、深い谷を刻む秘境黒部峡谷だった。

ここを流れる黒部川は、豊富な水量と激しい落差があり、古くから水力発電の適地とされていた。しかし、長年ダム建設を阻んでいたものは、峻厳な地形と冬の豪雪、人を拒絶する雄大な自然だった。

昭和31年、関西電力は「世紀の大事業」といわれた黒部ダム(通称くろよん)建設プロジェクトをスタートさせた。あらゆる知恵と技術の粋を結集させ、自然環境保護への配慮を優先させた前代未聞の巨大プロジェクトだった。それは、原発問題がさまざまな議論を生んでいる現代とは違った意味で、未来エネルギーと向き合った自然界への重要な挑戦でもあったのだ。

費やした歳月7年、当時の金額にして513億円の工費、延べ1000万人もの人手により、昭和38年6月ついに「くろよんダム」は完成した。

黒部ダムカレー黒部ダムは高さ186m(国内1位)、堤頂長492m、総貯水量2億㎥のアーチ式ドーム越流型のダムで、6月26日~10月15日まで黒部ダム観光放水が行われる。アーチ型のダムから噴出する水の迫力は圧巻。美しい虹が架かる新展望広場からの眺めは観光客の歓声を誘う。

この巨大ダムの玄関口にあたる大町市にあるB級グルメが、その名も黒部ダムカレーだ。山盛りのライスでダムを表現したカレーで、ルーの上には黒部湖に浮かぶ遊覧船「ガルベ」をイメージした具材を乗せる。

大町市内を中心に19店舗ほどで味わえるが、目を引くのは、JR信濃大町駅前にある豚肉料理専門店「豚のさんぽ」の大黒部ダムカレー(1680円)だ。大皿に盛り付けられたライスは堂々たるダム堤を築き、じっくりとチョコレート色になるまで煮込んだカレーが、大きなダム湖を形作っている。さらに、ライスの上にはボリューミーな豚の角煮、たっぷりと盛り付けられた新鮮野菜のサラダ。ガルベもキャベツやほぐし肉でできているという具合だ。

黒部ダムカレーじっくりと煮込んで仕上げた丸ごと1本の角煮。フォークでそっと触れただけで崩れるトロットロの肉のおいしさは感動に値する。主役のカレーも具が溶け合ったコクのある味わい。とても一人では食べきれないほどのボリュームだ。

「似たようなカレーは、昭和40年頃にアーチカレーという名前で、黒部ダムのレストラン「扇沢」で出していたようです。それが、時を経て、いまB級グルメとして再登場したわけです。うちも、街を元気にしたいという思いから黒部ダムカレーを出しています」と、飲食事業部チーフディレクター標(しめぎ)高充さん。

ほかにも、
黒部ダムレストハウス(☎22-3402)
くろよんロイヤルホテル(☎22-1530)
こまつうどん店(☎22-0646)
居酒屋花山(☎85-5660)
スープカレーのお店ミルフィーユ(☎22-6898)
シャンティロッジ(☎85-0301)
北アルプスの食卓(☎21-1212)
などで食べられる。(市外局番0261)

今年は黒部ダム誕生50周年。この記念すべき年を訪れた人と共に喜び合おうと「信濃大町はしごきっぷ」など得するプランを企画している。
(問い合わせ/大町市観光協会☎0261-22-0190)

豚のさんぽ
◆所在地 長野県大町市仁科町3168-8
◆問い合わせ ☎0261-85-0129

長野県大町市大町仁科町