「長野の美味しさ、伝えたい」
農家、飲食店、消費者との架け橋にと
奔走する老舗八百屋の若き5代目

初代から受け継ぐ藍染めの法被を着る修也さん。「大事な仕事の時にこれを着ます。重みがあります」

江戸時代、唐津の伊達藩から松代藩へ嫁いだ豊姫。故郷の春を忘れぬようにと「唐桃(あんずの原種)」の枝を持参し、最初に植えたのが松代の地だったという。「あんずの里」で知られる信州の名産も「発祥は松代なんです」と老舗八百屋の5代目、修也さんは目を輝かせて話してくれた。

創業100周年。初代がここ松代で戸板一枚で八百屋を始め、後に大きな卸業に転換するなど変遷を辿るが、現在は母・都代さんを社長に、県内外の農家から仕入れる野菜や果物を、個人や飲食店へネットも含め直接販売。また野菜を使った加工品「野菜クレープ」「佃煮」「惣菜」の製造販売も行う青果業を営む。営業を担当するのが小山家の長男・修也さん(31歳)だ。

伝統野菜「松代一本ねぎ」は、白根が長く、根が曲がったねぎで、緑の葉まで食べられる。柔らかく甘みが強いため、そのままでも鍋にしても、炒めても美味しいという

実は家業に入ったのは3年前。それまでは商業高校で簿記などを教えていた。当時は講師という立場から正規採用を目指しつつも、日々疑問を感じていた。「公務員という決められた枠の中だけでいいのか」…、ずっと心にあった家業への思いも大きくなり始めた頃、「一緒にやってほしい」と母が声を掛けてくれた。変貌を遂げていく世界のことを考えた時に、絶対ゆるがないものは“食べ物”だと思った。畑や田んぼがあれば食べ物を作り、生きる事ができる。それに一番近いことをうちはやっている。自分たちが大事に繋いでいきたいと考えた。

石の上にも3年。母の代からの繋がりに加え、独自の繋がりも増えつつある。自分世代の新規就農者や、長野の野菜に興味を持つ仲間も増え、イベントへの出店にも積極的だ。また「農家の野菜に対する思い」を伝えたいと、農家、飲食店、消費者との情報交換、コミュニケーションを大切にする。ネット発信もそうだが「伝えなければ繋がっていかない」と考え、電話の数も増えている。「こだわりの野菜」や「珍しい野菜」への注文が増え、様々な課題も見えてきた。量を確保するため、農家の畑を使えるように数や時期の問題を解消したいと考え、付き合いのある農家の協力のもと仕組み作りにも力を入れる。

創業100年、三世代で商う「カネマツ倶楽部」の皆さん

「地元の人にもっとおいしい野菜を知って食べてもらいたい」、そんな思いから、古くからその土地で栽培されてきた在来品種「伝統野菜」にも注目した。松代では「松代一本ねぎ」と「松代青大きゅうり」のふたつ。修也さんが事務局となり、2012年2月に「松代一本ねぎの会」(会員10名)を立ち上げ、出荷体制を整え、販路を拡大中だ。「長芋、エノキも松代がルーツと言われている。これだけ魅力のある町を、大げさだけどプロデュースできたらおもしろいと思っている。農産物もそうですし、もっと発信できる町なんですよね」。

素材の美味しさをいかして作る、近所の人にも好評のお惣菜

最近、昔のように店頭に野菜を置き始めた。好評の発酵玄米のおにぎりや惣菜を買いに、近所のお年寄りや子供がいるお母さんも立ち寄ってくれるからだ。「まだまだ勉強です」と照れながらも、人と食の繋がりを大切にしたいと考える若い力が、歴史ある城下町・松代で動き始めている。まるで大地に根付き成長を続ける、瑞々しい野菜のように。

カネマツ倶楽部
◆所在地 長野県長野市松代町松代583
◆営業時間 10:00~17:00(店舗)
◆定休日 水・土・日曜・祝日
◆問い合わせ 026-278-1501
◆URL http://www.s-kanematsu.jp/

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