●叶屋 –
蕎麦の本場戸隠でも旨さへのこだわりはピカイチ。
元祖手打ちそばの「叶屋」だ!

戸隠_そば_叶屋全国には「そば通」を自認する人はごまんといる。そして、それぞれが自分の「そば理論」に自信を持っている。そうした人たちにも、ちょっと耳を傾けていただきたい蕎麦屋の話。

信州は、言わずと知れたそば王国である。標高が高く、寒暖差の激しい気候、清らかな水などが良質のそばを作る欠かせない条件となった。乗鞍高原、木曽開田高原、美麻村新行などがうまいそばの産地といわれているが、そんな中でも長野市戸隠(旧戸隠村)は、昔から全国的に知られた押しも押されもしない蕎麦の本場だ。

戸隠は「霧下そば」と呼ばれる良質なそばが穫れる土地。そばの作付け面積も戦前には100町歩(992ha)あった。現在は4分の1以下に落ちているとはいうものの、依然として良い蕎麦が育まれ、蕎麦の作り手たちの戸隠そばへのこだわりと高い志は健在だ。

パワースポットとしても人気を集める戸隠の中心部、中社の鳥居から南に歩いて約1分。竹細工店が立ち並ぶ界隈にそばの「叶屋」がある。店構えは一見するとごく普通の食堂風だが、この店こそ、お休み処としての創業は明治中期、蕎麦屋としては大正期開業という、戸隠でも「元祖手打ちそば」を名乗る老舗だ。

戸隠_そば_叶屋叶屋のそばは、注文を受けてから打つ。4代目店主・西澤輝雄さんが先々代から受け継いだ教えだ。まず、そば粉だけに熱湯を回し入れる「湯締め」をする。それをつなぎである小麦粉と混ぜ合わせ水回しをして力強く捏ね上げていく。最近では、失敗が少なく、ひび割れることがないようにと水だけで捏ね上げる店が多い。今でもこのやり方を通しているのは叶屋だけになったという。

「湯締めをすると、風味が飛ぶのも早いため、作り置きができないのが最大の欠点。でも、それだけに、お客様にはそば本来のおいしさを味わっていただけるんです」と西澤さん。

麺は5号枡を使い石臼挽きし、そば粉1升、つなぎの小麦粉5合という独特の分量で打ち上げていく。

盛り付けはもちろん、戸隠そばの特徴である「ぼっち盛り」。丸型の竹ざるに5束、開口部がつぶれた馬蹄形状に盛っていく方法だ。ぼっち(束)の数は店によって異なるのだそうだ。

口に運ぶと、その瞬間に微かなそばの香り。つゆは少々薄めだが、その分そばの正直なおいしさが引き立ち、のど越しもいい。薬味は、自家栽培の辛味大根と長ネギだ。

戸隠_そば_叶屋「戸隠そばは、元々は修験者たちが携行食料として持ち込んだものだといわれています。その後は、宿坊などで、戸隠講で参拝に訪れる人たちのためにもてなしの意味で振る舞われていたんです。つまり、そばは貧しい食べ物ではなく、お客様に味わっていただくちゃんとした『料理』だったんです。当時、宿坊に奉公していた初代がそば打ちを習得し店を出し、一般の参拝客の方たちにも初めて提供するようになったんです」。「元祖」を名乗る理由はそこにある。

マスコミなどの影響もあり、戸隠にも行列ができる人気店がある。それも、戸隠そばの底力を示す一現象ではあるが、頑ななまでに昔風の打ち方にこだわり、不器用に暖簾を守る蕎麦屋の存在も見逃せない。

ざるそば(750円)、天ぷらざるそば(1200円)、そばがき(1050円)。

戸隠_そば_叶屋叶屋
◆所在地 長野県長野市戸隠3356
◆営業時間 10:00〜17:00
◆定休日 木曜日
◆問い合わせ ☎026-254-2111

長野県長野市戸隠3356

コメント

  • 西澤さん

    突然のメール失礼します。高校時代に同級生だった安茂里に住んでいた佐藤 克己です。覚えてますかね?卒業後も何度か仕事で戸隠に行った際ににはお邪魔させていただきました。40歳以降東京、新潟、仙台、そして現在定年を迎えましたが契約社員として東京にて継続勤務をしております。本日、突然メールした訳は5〜6年前から蕎麦打ちを趣味にしておりとんくるりんに家族で行ったり自宅で月1度は家族に食してもらっております。これからも趣味として極めたいと思っており戸隠に行った際には西澤の所に寄りいろいろと話を聴きたり教えてもらおうと思っておりました。5月の連休に東北から友達が来るのでお邪魔させていただいたもよろしいでしょうかね。長文ですみませんでした。ネットでみて久々に聯絡させていただきました。

    2018年4月15日 10:31 AM | 佐藤 勝己

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