●あっぷるぐりむ栗田店 -
愛らしい「ふくろうキャンドル」が
客たちの心にポッと幸せの灯をともす。

あっぷるぐりむ栗田店誰にでも「福」を招いてくれるラッキーアイテムというものがある。

それは、ご利益を授けてくれる霊験あらたかな神社仏閣のお守りであったり、たいせつな人からもらったかけがえのないリングであったり、幸運を呼ぶ石であったり、七福神の置物や招き猫だったりと人それぞれに違う。姿かたちは違っても、その人にとっては時には心の支えにもなってくれるパワーの源なのだ。

よく、所詮「他力本願」じゃないかと批判する向きもあるが、そういう人たちに限って、ラッキーセブン、大安、茶柱が立ったなどといって喜んでいたりする。現世利益(げんせりやく)と呼ばれる生きているうちのご利益は、神様仏様にすがっても一向に構わないのである。

「ふくろう」という鳥も、昔から神の使いといわれるほどのハッピーバード。森の番人とも呼ばれ、闇に包まれた森の中で目を光らせ、音も立てずに飛び、ネズミなどの獲物を捕らえるところから、どこか神がかり的な存在ともされる。

ヨーロッパなどでは知恵の神、長寿の神と好まれている。日本でも「不苦労」「福来郎」「福籠」などの文字を当てて、福が授かる縁起がいい鳥とされているのだ。

長野市栗田のレストラン「あっぷるぐりむ」のレジ横に、愛らしい陶製のふくろうが並び目を引く。作ったのは、この店の従業員で陶芸作家でもある坂口博美さん。

あっぷるぐりむ栗田店もともと陶芸教室に通い皿や壺を制作していた坂口さんだが、ある日、本屋で偶然手にした1冊の写真集で「ふくろう」に出会った。木の上で森を見渡している知的な姿、漆黒の闇の中を滑るように飛び獲物を捕らえる勇姿、どこか愛くるしいしぐさ…そんなすべてが、坂口さんの心を直撃した。

「これを作りたい!」。まさに一目ぼれだった。坂口さんは教室の先生に頼んでふくろうを作らせてもらうことにした。時折アドバイスを受けたが、基本は専門誌などを読みあさり、独自の手法で自分のふくろうを作り上げていった。土を捏ね上げ、土台に輪状の粘土を重ねながら胴体部分を形作っていく。頭に思い描いたふくろうは、その時の心もようによって当然のように異なる。丁寧に描く顔にも作者の思いが表れる。

「ほんと、一つ一つの表情が全く違います。形にも私の感情が出てしまいますね」と坂口さん。当初はずっしりとした置物が多かったが、最近はお腹の中をくりぬき、電球やアロマキャンドルなどをセットした手の込んだものが増えている。価格は1000円ぐらいから。

数年前に市内の喫茶店で開いた個展でも、革工芸、シルバーアクセサリー、木彫、陶芸などの作品が話題を呼んだ。中でも好評だったのが、ふくろう作品だったという。

「練りから、胴体作り、羽などの細部の切込みを入れる工程まで一瞬たりとも気を抜けません。そして、窯から出す瞬間まで思った色が出ているか心配」。白や褐色など釉薬(うわぐすり)の渋い色彩といい、手作りの味わいが生きる形状といい、作者の優しさがこもったふくろうは、レストランを訪れる人たちにも好評だ。

新作は2か月に1度ずつ作られるが、「可愛いわね~」「次のふくろうはいつできるの?」「私も陶芸教室に通っているの」などふくろうを起点に話題がふくらんでいくことが、自分にとっても幸せだという。

ふっくらしたふくろうから洩れる、ほんのりとあったかい灯り。おいしい料理を味わった後に出会う幸せが、レジ横の空間に広がっている。

あっぷるぐりむ栗田店
◆所在地 長野県長野市栗田西番場333-1
◆問い合わせ ☎026-227-8585

長野県長野市大字栗田西番場333−1

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