●満願餃子 –
皮はカリカリ、中はジューシー。
変わり種餃子のおいしい秘密。

満願餃子ラーメン党を自認する人のおそらく9割以上は餃子が好きだろう。宇都宮や浜松が餃子の本場を競い合っているが、もちろん発祥は中国だ。

そもそも餃子は、中国の家庭で奉公人のいなくなった正月に作り、2・3日はそれを蒸して食べた、いわばごく普通の家庭の保存食のようなものだった。古くから、上手に作ることが花嫁の条件の一つにもなっていた。

そんな餃子が日本に渡り、ラーメンやチャーハンなどとともに深く庶民の食生活の中に定着していったのだ。けれど、そんな風に「餃子」を愛する、「餃子」を食べ慣れているはずの日本人でも、「ムムム?」と驚く餃子がある。

満願餃子長野市稲里町にある、その名も「満願餃子」。落ち着いた和の雰囲気漂う外観といい、店頭に掲げてある「名水創味」の紫色の幕といい、「餃子」を連想させるものは何一つない。しかし、この店こそ知る人ぞ知る美味なる、そして変わった餃子の店なのだ。

店内に足を踏み入れると天井が高く広々とした空間。座敷もテーブル席も整然と整えられていて、ラーメン店特有の中華鍋で調理するあわただしげな音、溢れてくるゴマ油やスープのダシの香りもない。

さて、そこで「満願餃子」の話。餃子ランチ(土日祭日を除く)は焼き餃子10コ、小鉢2品、味噌汁、ライス付で840円。驚くのは、小さな提灯を思わせる丸みのある餃子の形状だ。味わってみるとパリッと硬めの皮の食感。その後に口いっぱいにジワーッと広がる肉と野菜のまろやかな味わい。たっぷり詰まった具は、白馬のSPF豚バラ肉、聖高原などのキャベツ、白菜を贅沢に使用するなど、できる限り地場ものにこだわっている。

しかしここの餃子には、それ以上のおいしい秘密がある。それは、名水で知られる安曇野満願餃子山中の満願寺に湧く水を毎週汲みに行きすべての料理に使っていること。

深山幽谷の地にある満願寺は「信濃高野」とも呼ばれる真言宗の名刹で、信濃33番札所の第22番にあたる。その創建も807(大同2)年、坂上田村麻呂が自ら刻んだ観音像をお前立に安置したことからだという。その歴史ある寺にこんこんと涌いている水を生かして作られているのが「満願餃子」なのだ。

「うちでは名水創味と言っているように、水こそが食の原点と位置付けています。おいしくなぁれという思いを込めて、一つ一つの餃子を作っています」と主人の澤田輝雄さん。餃子は主食。落ち着いた雰囲気の中で餃子そのものをじっくりと味わっていただきたいという。

おすすめは、焼き餃子10コ、スープ餃子5コ、小鉢1品、ライス付の満願セット1560円。餃子好きなら見逃せないメニューだ。

満願餃子澤田さんは脱サラで、千葉県野田市を本拠にするフランチャイズチェーン「ホワイト餃子」で研修を受け、1990(平成2)年に穂高に餃子の店を出店。当時から良質の水と新鮮な材料を使った餃子のおいしさには定評があった。その後、2000(平成12)年に現在地に移った。その味わいは健在で、全国からファンが訪れる。

「満願寺は好きなお寺ですし、餃子を味わっていただいたお客さんにも満願寺の御利益があればいいなと思っています」と澤田さん。

一度味わったら、いつかふと、無性に恋しくなってくる不思議なおいしさ。ふっくらとした餃子の皮の中には名水と食材と主人のこまやかな愛情がこもっているからかも知れない。

満願餃子
◆所在地 長野県長野市稲里町中央1-17-23
◆営業時間 11:45~13:30(土日祭11:45~14:00)
17:00~20:00
◆定休日 火曜日
◆問い合わせ ☎026-286-1750

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