●善光寺大本願 –
今年はいいことありますように…。
初詣で知る大本願の奥深い歴史、意外な魅力。

善光寺大本願一年の幕開けとして日本人はことのほか正月を大切にしてきた。おせち料理を食べたり、お屠蘇を飲んだり、出会った人同士で「新年あけましておめでとう」の挨拶を交わす。それは、正月には年神様(としがみさま)という新年の神様が各家庭に降りてきてくれると考えられてきたからだ。

年神様はその年の幸運を誰にでも分け隔てなく授けてくれる。不幸を嘆く人や災いに見舞われた人にも、今年こそはと運を運んでくれる。そんな願いが、さまざまな習慣となって私たちの暮らしの中に定着してきたのだ。

初詣も、年の始めにお参りすれば、めでたさが倍になるとされる習わしで、私たちは近所や遠方の寺社に詣でる。そんな中、信州では長野市の善光寺が有名で、正月三が日の初詣客は全国的に見ても、明治神宮や川崎大師などと並び上位に位置する。そこで、その善光寺(今回は大本願)をクローズアップしてみた。

善光寺は天台宗の大勧進と25院、浄土宗の大本願と14坊の寺院により共同で運営されている寺で、毎年全国から600万人以上の参拝者が訪れる。本尊は「善光寺如来」と呼ばれる一光三尊阿弥陀如来だ。

凛とした空気に包まれた本誓殿、風格ある表書院に心惹かれる。

善光寺大本願長野駅から北へ約2㎞、直線的に延びた中央通りを上りきると大門町で、善光寺境内と町屋との境にぶつかる。そこから先は整然と並ぶ石畳の道に変わる。

本堂前まで続く参道の石畳は、その数が7777枚あると言われる。これは、正徳4年(1714)江戸の大竹屋平兵衛が息子の菩提を弔うために寄進したもので、その石は善光寺の西方にあるゴウロ山から運んできたものだ。

仁王門に向かい参道の右側に軒を連ねる宿坊。そして、その左には浄土宗の大本山「大本願」がある。筋入築地(すじいりついじ)を巡らした大本願には門が2つあり、北の門は唐破風(からはふ)の屋根を持つ見事な唐門、南の門(表門)には「善光寺上人本坊大本願」の石柱と裏菊の紋の高灯篭が立っている。

大本願は、善光寺の創建(642年)当初からその歴史を共にしてきた尼僧寺院。代々の大本願住職・尼公上人が、大勧進住職と共に善光寺上人として伝統を継承してきた。現在は鷹司誓玉大僧正が善光寺上人第121世を務めるが、そもそも善光寺上人とは、宮中から上人号と紫衣着用を許された称号で、尼僧では信州善光寺、伊勢の慶光院、熱田の誓願寺が近世における「日本三大上人」と呼ばれている。

小松宮彰仁親王(こまつのみやあきひとしんのう)の筆による「大本願」の額が掲げられた唐門をくぐると、正面に見えるのが本殿であり、一光三尊阿弥陀如来の御分身や善導
大師像、法然上人像などを安置する本誓殿。平成8年11月落慶で、5年の歳月を掛けて総桧造りの本堂として再建された。向拝の局額「本誓殿」は久邇宮朝彦親王(くにのみやともひこしんのう)の筆によるものだ。ここでは、毎日の定式法要はもちろん、仏前結婚式やお宮参り、七五三なども執り行われている。

本誓殿の南には表書院がある。ここは尼公上人が本堂へお上りになるなど公式行事に使われる玄関。そこから大本願事務所などがある寿光殿、結婚式や講演会などにも使われる明照殿と続く。本誓殿の西には、昭和55年再建の奥書院がある。総桧造りの御殿で、一階広間は鷹司上人が信徒にお会いし、御十念をお授けになるところだ。

最近注目の「ひとにぎり地蔵」ってご存知ですか!?

善光寺大本願受験生たちの訪れが目立つのが、文殊堂。知恵を司る文殊菩薩と人々の幸福を願う普賢菩薩が祀られている。

大本願には、地元長野の人たちでさえあまり知らない場所がある。これは、「ぐるなが」も絶対おすすめの見どころだ。

1つは、善光寺大本願天井画。本誓殿から奥書院へと通じる渡り廊下の物見台の天井に描かれているのがそれで、第120代一條智光上人が岡信孝画伯(横浜市)に依頼して制作された25枚の「四季草花図」だ。繊細な花たちの絵は眺めているだけでも心洗われるが、それら25種の花は偶然にも中庭にすべて植えられているという。季節にはぜひ絵と見比べてみたい。

2つ目は、本誓殿の北側にある宝物殿。平成元年4月に再建されたもので、ここには明治天皇、昭憲皇太后、貞明皇后、皇女和宮などの歴代皇室の遺品をはじめ、神々しいばかりの浄土宗宝「二十五菩薩来迎図」や「伐折羅大将図」「聖徳太子像」、公家、武将の筆跡、善光寺小判、書画などの展示品が並びその魅力に息を飲む。「ほかにも信徒さんから寄進された刺繍屏風や善光寺如来の変遷絵解きなど様々なものを展示しています。市民のみなさんにも宝物殿の存在をもっと知ってほしい」と大本願書記の村田信彦さん。時には、「善光寺を極める展」などと銘打った特別展も開催されている。

善光寺大本願さらに、大本願でしか入手できない「ひとにぎり地蔵」(1000円)という授与品もある。長さ8センチほどの細長いお地蔵様は陶製で、表面には笑顔を浮かべたお顔が描かれ、胴体にあたる部分にはしっくりと指がおさまる溝が作られている。お地蔵様は手作り品で、同じ表情や形のものは、一つもないという。人は困った時に無意識のうちに5本の指を折り、ぎゅっと手を握っていることが多い。肌身離さず身に着け、緊張した時や難題に遭遇した時などに、そっと握りしめれば心が穏やかになり、気分をリセットして臨めそうだ。これもまた、大本願のもう一つの魅力といえるかもしれない。

善光寺大本願善光寺大本願
◆所在地 長野県長野市元善町500
◆問い合わせ ☎026-234-0188

長野県長野市長野元善町500

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