●ピエロと河童展
新春の古き佳き喫茶店に
宮本廣文さんの河童の世界がやわらかく広がっている。

宮本廣文「ピエロと河童」展日本にはさまざまな妖怪がいる。鬼や天狗が有名だが、それらに勝るとも劣らない存在といえるのが「河童」だ。

全国各地の河川や沼に生息するといわれ、頭の上には水でぬれた皿があり、口は短いくちばし、背中には亀のような甲羅があり、手足には水かきが付いている。

人にいたずらをすることから、昔々は評判の悪いとても怖い妖怪と思われてきた。そんな河童が人々に愛されるようになったのは、1953年頃のこと。漫画家の清水崑が「かっぱ天国」という漫画で愛嬌のある河童たちの生活を描いてからだった。その後は、コマーシャルに登場したり、子供たちにも愛されるキャラとして人気を集めるようになった。

そんな「河童」の魅力に惹かれ20年以上も前から、ひたすら河童の絵を描き続けているのが、長野市東町の絵師・宮本廣文さんだ。

「河童は悪いこともするけれど、義理堅く、親切にされるとちゃんと恩返しをする。とっても愛すべき妖怪なんです」と、完全に河童に惚れ込んでいる。現在、全国各地の河童ファンで作る「河童連邦共和国」の国民は約800名。だが河童の描き手としては長野県でも2~3人しかいない。宮本さん自身も東京、福島、岩手などで行われた河童サミットに出席し、河童のために河川の掃除やホタル飼育に関わってきた。

宮本廣文「ピエロと河童」展その宮本さんが、これまでに描いてきた作品に新作を加え、いま、長野市権堂の喫茶店・奈良堂で「ピエロと河童展」と題した作品展を開催している。

作品は、ギスギスした人間社会を皮肉っていたり、辛いことも笑い飛ばせば幸せが訪れるといっているように高笑いする姿、各地の河童が勢ぞろいした河童サミットの図などの作品が並び、のびやかに描かれた「河童ワールド」が夢いっぱいに広がっている。

さらに、作者の心模様のように繊細にゆらめくピエロの世界や表情、細密なオコジョの姿などこれまでの宮本作品とは異なる世界も加わった。ますます奥行きを感じさせる魅力的な作品展になっている。

宮本廣文「ピエロと河童」展会場の奈良堂は、長野市周辺に住む人ならお馴染みの昭和23年開業の歴史ある喫茶店で、懐かしさに誘われて入口の扉を開ければ、コーヒーのアロマに包まれたもうそこから、「大人たちの心の聖域」が始まっている。

そんな喫茶店と心にしみる絵画のコラボ。おいしいコーヒーをいただきながら河童の絵を眺めていると、浮世の波にただ流されて生きる人間の愚かしさを、笑われているような気がしてくるから不思議だ。

宮本廣文「ピエロと河童」展
◆会期 2012年12月15日~2013年1月15日
◆会場 喫茶・奈良堂
◆所在地 長野県長野市鶴賀権堂2222
◆問い合わせ ☎026-235-1717

長野県長野市鶴賀権堂町2222

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