●山田寿章 油彩画展 -
幻想的な里山の風景が語りかける。
独特の色彩に癒される心地いい時間を愉しむ。

山田寿章油彩画展個性的な色彩感と画風で知られる油彩画家・山田寿章(としあき)さんの風景画展が、6月13日から信州新町「ミュゼ蔵」で開催される。

山田さんの作品の多くは、懐かしさを感じさせる奥信濃の春の訪れや息苦しいばかりに深い夏の森、冬支度を始める静かな里山の民家など…、豊かな自然に抱かれた彼のふるさと栄村、秋山郷を題材にした作品が目立つ。

1949年生まれの彼は、農業の傍ら独学で絵画を学んだ。太平洋展、上野の森美術館大賞展など数々の受賞歴を持つが、GW期間中にも長野市もんぜんぷら座市民ギャラリーで作品展を行うなど、各地で活発に作品展を開催。地元重視の地に足がついた活動ぶりが伺える。

ローマン派美術協会会友でもある山田さんの絵は、初めて観た人でもたちまちその美の世界に惹きつけられる魅力を持つ。例えば、鳥甲山、苗場山を見渡す秋山郷の里を俯瞰した春の風景画。澄みきった空気の中に広がる自然は生き生きとした生命力を感じさせ、ようやく訪れた季節を歓喜と共に描いている。

山田寿章油彩画展黄色く色づく林を背にひっそりと佇む藁ぶき屋根の民家を描いた「冬支度」。数メートルにも及ぶ豪雪に見舞われる秋山の、冬の準備に忙しい人の声が、家の中から洩れてくるようだ。

さらに印象的なのはその幻想的ともいえる色彩。何気ない風景の中にポッと明かりが射したように感じられる明るい色合い。その作風と色彩は写実と幻想の交錯した独特の世界観を造り出した、フランスの画家アンリ・ルソーを思わせる。ルソーの絵は、純真無垢な精神によってとらえられたおおらかな映像を持っていて、そのユニークな造形が感動を呼んだ。

山田寿章の絵からも、それと共通する感動が膨れ上がる。

「観た人がいろいろな感想を寄せてくれますが、自分では分かりません」と静かに語るが、暗く深い森の上を飛翔するフクロウやスイレンの花の中にサギを描いていく構図にも、作者ならではのロマンが匂う。

桜やシャクナゲなど花を描いた作品も多いが、どれも山田寿章ならではの妖しい「色」が生きている。

山田寿章油彩画展冬は深い雪に覆われ、外界との道も遮断され「陸の孤島」「秘境」ともいわれた秋山郷。そこに生まれ育った作者にとって、冬からの解放は言葉にできない無上の喜びであった。雪に閉ざされた暗く重い日々は耐えられない長い時間だったはずだ。だから、彼は絵の中に、さらにどんよりと濁った色を塗りこむことなどできなかったのではないか。その思いが、あの妖しい色に込められているのではないか。そんな穿った(うがった)想像さえしてしまう。

「家では行者ニンニクを作っているんですけど、春先にはカモシカがそれを食いに来るんですよ。そんな秋山郷です」とふるさとの暮らしを語る。

一方、自分の祖母を描いた肖像画などは、重厚かつ繊細な写実的表現で心をとらえるのだ。多彩な才能を見せる山田寿章さんの作品展は、当間(あてま)高原リゾート、ホテル・ベルナティオ(新潟県十日町市)でも6月1日~7月10日まで開催される。

山田寿章油彩画展「語りかける風景展」(仮)
◆会場 ミュゼ蔵(長野県長野市信州新町新町37-1)
◆会期 6月13日(木)~30日(日)
◆時間 午前10時~午後6時
◆休館日 月曜日、祝休日の翌日
◆入館料 無料
◆問い合わせ ☎026-262-2500

長野県長野市信州新町新町37−1

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