●竹村陶器店 –
善光寺門前、昔ながらの瀬戸物屋には
古き良き時代の風が流れていた。

竹村陶器店の外観善光寺界隈を散策していると、懐かしいものによく遭遇する。

横町の竹村陶器店もそんなものの一つ。歴史を滲ませた店の軒下には紺の暖簾が翻り、古く重いガラス戸が強い日差しを跳ね返している。古びた陳列棚には値打ち物の鍋や茶碗、さらに丼などがさりげなく並べられ、懐かしい瀬戸物屋の風情をかもしだす。

「昔はこの界隈にも10数軒の瀬戸物屋があった。今は2軒だけ。最近は100円ショップでも、きれいな皿や茶碗が買える時代だもんね」と話すのは、3代目店主の竹村健さん。戦後間もなく、長野商業高校を卒業後に1903(明治36)年創業の家業を継いだ。以来、まじめにコツコツと歴史を守ってきた。

以前は、すぐ近くにある西宮神社のえびす講には、店の中に行列ができるほど茶碗や茶器も売れたことがあった。えびす講は商業の祭り。今でも毎年11月18~20日には、参道に色鮮やかな縁起物を売る店がズラリと並び、商売繁盛を願う参拝者たちでにぎわう。

最近、えびす神を祀る西宮神社は、善光寺表参道七福神めぐりのコースに入っていて、寺社を巡る一行が店の前を通る。

竹村陶器店の商品そんな参拝者に、竹村さんおすすめの品がある。それは、一見、何の変哲もない湯呑み茶わんだが、熱いお湯を注ぐと表面に宝船に乗った七福神が浮かび上がるというもの。ほかにも極楽浄土を約束してくれる仏様が浮き出るものもある。(ともに800円)。

商売っ気のないところも、逆に好感が持てるのだが、薄暗い店の奥に足を踏み入れると、さりげなく風雅な茶器が配されていて、それが益子や有田などの古窯の名品であったりする。気負いのないそんな姿勢まで優しい。

ひっそりとした店内には、冷やかしの客でさえ快く迎えてくれるおおらかさがある。

竹村陶器店 長野市横町361
☎026-232-3322

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