●草川信と童謡のふるさと長野 –
ちょっ蔵おいらい館にあふれる
草川信のあったかいメロディー世界。
東町の門前商家「ちょっ蔵おいらい館」で、「草川信と童謡のふるさと長野」と題する展示会(9月27日~10月10日)が開催されている。
草川信は、明治26(1893)年、旧松代藩士の子として長野市で生まれた。長野中学卒業後、東京音楽学校師範科に進み、バイオリンとピアノを学ぶが、その時のピアノの師が「靴が鳴る」「スズメの学校」の作曲者・弘田竜太郎だった。その親交から卒業後は教職に就き、童謡誌「赤い鳥」の童謡活動に参加。大正11年に「夕焼け小焼け」を作曲し、童謡作曲家として一躍有名になっていく。以後、第二次大戦後に至るまで「ゆりかごの歌」「どこかで春が」「緑のそよ風」などおよそ400曲の作品を残している。草川の作品は、いかにもバイオリン奏者らしい流れるような旋律による、心にしみる親しみやすい曲が多い。
一つひとつの作品には、草川が生まれ育った故郷の情景と思い出が投影され、郷愁と感傷を加えて盛り込まれているのだろう。
展示会は、そんな信州が生んだ作曲家・草川信の業績を讃え、詩情あふれる作品の世界を偲ぼうと同館管理者の山崎正夫さんらが企画した。
「草川信先生の音楽世界を、もっとたくさんの方に知っていただきたいと思います。今回の展示では、あのすばらしいメロディーを思い出せてくれる風景写真や人形作家・平井昌さん、手塚えい子さんの木目込み人形も並べました。きっと作品のイメージが広がるはず」と山崎さん。
さらに目を引くのが、館内中央に展示された歴史を感じさせる一本の材木。これは、付属長野小学校の児童たちが総合学習で草川信を調べた成果として発見された、草川の生家に使用されていた材木だという。現在は、信濃教育会教育博物館所蔵の貴重なもので、一般に公開されるのは珍しい。
展示場は商家の小さな蔵の中だが、そこにはあったかい空気が宿り、耳を澄ますと、どこからか「ゆりかごの歌は カナリアがうたうよ ねんねこ ねんねこ ねんねこよ~」というあの懐かしい童謡が聞こえてくるような気がする。
ちょっ蔵おいらい館
◆所在地 長野県長野市東町165-3(武井神社前)
◆開館時間 午前9時~午後5時
◆入館料 無料
◆休館日 月曜・祝祭日の翌日
◆問い合わせ ☎026-235-0100
川崎 史郎 | 最終更新:2012年2月27日 6:26 PM | 投稿:2011年10月6日 2:47 AM | カテゴリー:雑報(街ネタ) | コメント(2)
コメント
前略 ぐるながの中村酒店の記事を印刷して渡しておきました。
何か情報があったら教えてほしいと話した中で、中村酒店の右斜向かいに80歳の女将が小料理屋「仲竹」という店を経営しており、毎年12月14日の赤穂浪士が討ち入りした日に、同店で大切に受け継いでいる赤穂浪士47士を一人づつ描いた盃を来店客に披露しているそうです。昨年12月に中村氏が信毎記者に話したところ、取材して記事が掲載されたそうです。記事によると祖父は陶器絵付師で約100年前に描いたものだそうです。 参考まで
2011年10月19日 12:52 PM | 丸山 弘順
丸山さん。いつも新鮮な町情報、ありがとうございます。「仲竹」はいずれ取材させて頂くつもりです。県外の人たちにも知ってほしい面白いお店ですね。ユニーク女将の登場にもご期待ください。市民記者ネット長野 川崎
2011年10月19日 5:53 PM | 川崎史郎
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